ぷよ友 okita x kagura 2015年07月24日 R指定はまだお前らにゃ早い!って感じの保護者たちと、沖田と神楽の話。 「あ……ちょ、やめろバカ!」「ここまでやってやめるわけねーだろバカ」 沖田はソファーの上で寝転がっている。 神楽も同じく寝転がっている。 ジタバタ苦しそうにもがく神楽をちらっと見て、沖田は愉快そうニヤリと笑った。「えいっ!あぁ……やだッ!もう!」「ほーら、これでどうだ?え?」「ううッ……!も、もっと左!あっ!クソ!連続つっかえたアルッ!」「あら?うまく入んねーやこれ、クソ!」「もっと右行け!違うそこのくぼみじゃないアル!あぁもうッイヤアル!」 沖田は先程から優勢のまま。悠々と隙間を埋めていく。手を抜くつもりなどない。神楽は負けじと挑むが。もう限界が近づいていた。「これでしまいでさァ!いっけオラァァ!!」「やめろぉぉ!は、破裂するぅぅう!!」「「お前らいい加減にしやがれぇぇえ!!!」」 部屋の襖が勢いよく全開にされた。薄暗い部屋の中は、ボーッと白い二つのゲーム画面だけが明るく灯っていた。 ぜぇ、ぜぇ……と。息をきらして襖に手をかけていたのは、いつも通りの格好の銀時と土方。いつも通りの格好で、長いソファーの端と端に寝転がっていた沖田と神楽は同時に振り返った。「何でィ土方さん」「何アル銀ちゃん」「何じゃねーよ!アウトだアウト!君らまだ未成年でしょ?神楽に至ってはまだR15も解禁してないでしょ?ほんとやめて!銀さんビクビクしながら過ごしてっからね?やめてねほんと!」「何言ってんでィ旦那。またR指定付けろっつって注意されねーかってビクビクしてんのはこの小説書いてる奴だけでさァ」「そうアル。ぷよぷよしてただけなのになんか問題アルかコノヤロー。勝手に複雑な妄想してんじゃねーぞこのおじゃまぷよ共め!」「喧嘩売ってんのかチャイナ娘!誰だってさっきみたいなん大声で叫んでんの聞いたらとんでくらァ!たくどーゆう教育してんのお宅の娘さんは!?」「そっくりテメェに返すぜチンピラ保護者が!!」 互いに顔を睨み合う保護者二人をよそに。被保護者の二人はそれぞれ再びゲーム画面に目を落としていた。 対戦は圧倒的に沖田の勝ちだった。ばたんきゅ~するアルルに。神楽は嘆いた。「アルルぅ!しっかりするアルルアルルぅ!私のアルルが瀕死アルルどうしてくれるアルルか!?」「アルルルうっせーなややこしいんだよてめーの選択キャラと口調!」「おい!もっかいそのサタンと勝負してやるアルルクソサド!今度は私中辛じゃなくて甘口でやるから絶対勝つネ!ばよえ~んしてやるネ!覚悟しろコノヤロー!」「アホだねィ。いきなり甘口使うとかえって調子狂って自爆するんでさァ。まぁ見てなよ次も俺勝つし」「上等だコラァ!!」 暗い部屋の中で再びゲームしようと構える二人。そこへ、ボカッ!ボカッ!と。銀時が拳をひとつずつ落とした。 痛でっ!!と二人は同じような仕草で自らの頭を撫でていた。「せめて部屋の電気付けろ。目ェ悪くなる」 土方がそんなフォローを入れながら、部屋のスイッチを入れると。電灯の明かりでパッと部屋が照らされた。 つーかなんでこんな部屋暗くして遊んでたわけ?と銀時が尋ねると。集中したいから、とハモる沖田と神楽。銀時は軽くもう一発ずつお見舞いした。「冗談じゃねーよ!ここは俺の職場です!何占拠しちゃってんの??神楽遊んでる場合じゃねーし。沖田くん油売ってる場合じゃねーし。ハイハイもう解散!!」「待ってくだせェ旦那!まだ遊び足りてねーんでさァ」「そうアル!まだ17試合しかやってないアル!R(ound)18のお楽しみはまだまだこれからアル!!」「誰がうまく言えっつったよ!?お前らにレイティングはまだ早いっつーの!お前らの精神年齢は所詮R7程度だよバカちんが!」「つーか17回も遊んでんのかよてめーら!十分だろバカが。帰るぞ総悟」 土方が沖田の首根っこを掴み、万事屋の応接間を去ろうと沖田を引きずる。沖田は藻掻いた。「ダメですぜィ土方さん。売られた喧嘩は買わなきゃ男が廃りまさァ!」「売ったも買ったもねーだろ。拾ったゲーム機で散々遊びやがって」「何言ってるネマヨネーズ!定春が買ってきたのヨ!どっかでタダで買ってきたのヨ!!」「それを拾ったってゆーの!」 沖田の腕を掴もうと手を伸ばす神楽。 神楽のその手を掴もうと抗う沖田。 二人の距離は次第に離れていった。「ロミオォォ!!」「ジュリエーーッ(ト)!!」「てめーらいつから恋人同士になった」 銀時が死んだ目をしながら神楽の首根っこを掴んでいると。土方と沖田は部屋から立ち去り姿が見えなくなってしまった。神楽はその場にガックシと項垂れた。「つーかお前らってそんな仲良かったっけ?わざわざうち来てゲームして遊ぶ?何?おうちデートですかコノヤロー?」 銀時が耳をほじりながら尋ねると。バカにしないでヨ!と。神楽はいじけていた。「仲良いわけじゃねーヨ。せっかく定春が拾ってきてくれたのに。対戦相手があいつしかいないから。あいつがいないと遊べないアル。銀ちゃんも新八も弱いし。コンピュータは全部ブッ倒したし」「どんだけやりこんでだよてめー。つーかてめーに勝つあのガキどんだけ強ぇーんだよ!」 やっぱ末恐ろしいガキだわ……と、銀時が垢を吹き飛ばすと。それに……と。何かを付け足そうとした神楽。「何?」「ううん……いいアル」 今日は雨の日だから。喧嘩は室内じゃなきゃできないヨ、と。 神楽は窓際のてるてる坊主を見上げていた。「別に遠く離れててもできんだろ?あのゲーム」 傘をさしながら。頬を膨らませ不貞腐れている沖田の腕を引っ張りつつ。土方は歩いていた。 いい加減自分で歩け!と、腕を突き放すと。沖田は動かない。「ちぇ、おじゃま土方め」「あのゲーム機だけ持って帰って屯所でやりゃぁいい話じゃねーか。それでチャイナ娘と対戦できるし、俺もわざわざお前を回収しに行かんでいいし。万事うまくいく」 今どきわざわざ通信ケーブル使わんでも。ワイファイなりなんなりあるだろ?と。先程まで遊んでいたゲーム機を手に持たず万事屋に置いてきた沖田を問い詰めた。「それじゃ味気ねぇですよ」「味気もクソも。ゲームで遊ぶだけじゃねーか。効率化を図れバカ」「あーあ!これだから今どきのゲームっ子は!引きこもりになるしマヨラーにもなるんでさァ」「いや俺ゲームっ子でも引きこもりでもねーし!マヨラー関係ねーし!」 土方が振り返ると。傘を持ったまま。残念そうな顔で突っ立っている沖田がいた。「対戦でも。トレードでも。顔と顔付き合わせてやんねぇと意味ねーんです。友達と一緒に時間を過ごすってそうゆうもんでしょう?」「……友達、なぁ」 土方はフッと笑えた。 チャイナ娘にはこいつの他にもいろいろ友達がいるだろーに。わざわざこいつと遊んでやってんだからな。多少は感謝せねばならないのかもしれない。「雨の日まで喧嘩勃発たァ、てめーら二人おっかねーなホント」「いいでしょう。周りに危害与えてねぇ分大人しくて」「まーな。だがお前はもう少し大人らしくしろ。R18も解禁してるような歳でぷよぷよばっかしてねーで。仕事しろ仕事」「何でィ、あいつに合わせてやってるだけでさァ」「どーだかな」 むしろチャイナ娘がお前に合わせてやってんじゃねーの? 言ってもまた文句垂れ流されるだけなのは目に見えていたので。土方は言わなかった。「そうですねィ……わざわざ通信ケーブルにこだわんのは、口実が欲しいだけかもしれねぇです」 は?と土方が振り返ると。沖田はニヤリといたずらっ子のような顔をしていた。「それは仕事サボる口実か?」「まァ、両方の口実です」 やれやれ。道理でぷよぷよゲームやり尽くして極めてる山崎そっちのけで万事屋へ通うわけだ。 ここんとこ何度万事屋へ迎えに行ったかわからない。雨の日の沖田のサボり場所は最近専らそこだった。「なんかあれですねィ」「何?」「4つ揃ったら消えるってーのは、俺ら4人のことみてぇだなと思いやして」「消えるっつーか。解散するって感じだがな」「まァまたくっつきに行ってやりまさァ」 両手の指を、ゲーム機を握ってるようピコピコ動かしながら、楽しそうに言う沖田。 こいつら二人は専らこんな感じだ。保護者に首根っこ掴まれるガキ共でしかあるまい。 くっつくっつっても。レイティング解禁はまだまだだろーな。土方は思った。健全で何よりです、と。 [7回]PR