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めぐりあひて

二次創作ブログです。原作者様等とは一切関係ありません。

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線香花火の余情

腐向け注意!











 毎年飽きもせずに祭りは賑わい人は集う。うじゃうじゃとうごめく様はまるで虫のようだといつも思いながらも、その虫の山に紛れて警備業務にあたるのが俺らの仕事だった。
 隣にはヤニ臭い男がいつもいる。それが毎年の恒例。もう当たり前のようにそいつと俺がセットになって虫の間を徘徊する。祭りの最中に打ち上がる花火を背に、物騒なもんを腰に引っ提げてうろうろして………たまに暴れてる族や浪人を狩って補導して天ぷらにする。

 ところがどうだろう。今年は暴風警報が予想され、前日の段階で花火大会の中止が言い渡されていた。台風の接近。オンボロの露店も飛んでいっちまいそうな有り様、花火大会もクソもないような状況が想定されると予報していた。
 よって今年はそこに割く人員も必要なくなった。無事、めでたく、暴風と共にしょうもない仕事が1個飛んでったというわけであった。


 ……思えばここしばらくの間、打上花火を真正面からきちんと鑑賞したことなどない。武州にいたガキの頃が最後だった気がする。
 毎年花火大会の会場にいるのに花火も見ずに仕事。とんでもなく真面目な仕事人間だなと自画自賛しながら、仕事をなくした俺は現在、ここぞとばかりにごろーんと屯所の縁側に寝そべってだらけていた。

 ……と、ゆっくり俺に近づいてくる足音を聞き、体を半回転させる。


「……なんだ、こんなところにゴキブリが1匹か」


 縁側を通り掛かった土方さんは、わざと通路を塞いで寝転んでる俺の、腹の辺りを踏みこむ素振りをする。俺はさらにごろんと反対方向へ1回転してこれを避けた。


「ゴキじゃねぇです。線香にヤられた蚊ですよ」
「どっちも大差ねーし」


 だらけっぱなしで意地でもそこから起き上がらない俺に、土方さんはため息をついた。何でィ。ため息つきたいのはこっちだ。
 花火大会があろうがなかろうが、俺の隣にこの人がいることだけは、結局例年と同じになってしまった。予定がすっぽりと抜けて暇してる俺らは、待ち合わせたわけでもないのにこうして縁側に集ってしまう。以心伝心というやつだろうか。ああキメェー。


「………ま、結局のところ雨も降りませんでしたし、風もおさまってきやしたねィ」
「これじゃ普通に花火大会できそうな感じだったな」


 物静かで真っ暗な夜空を二人して見上げながら会話する。天気予報も大してあてにならない。どうせ今から花火大会は再開しないから、真選組(こちら)は心行くまでだらだらできるので俺は大変結構なわけだが。

 あ、そうだ、と。土方さんは何かを思いついたように口の煙草を離した。
 祭りを開くにしてはもう夜も更けすぎている、午前に差し掛かろうというこんな時間帯。俺はとっくに就寝時の浴衣に着替えていたしあとは布団でごろごろとするだけ。
 ……故に、だろうか。土方さんがこちらをじっと見て何かを訴えかけてそうな目。その目はなんとなくキラキラいきいきとしているように見えた。


「………土方さん、言っときますが今夜はやりやせんよ」
「えっ、何が」
「ん? ″コレ″のお誘いかと」


 片手で、二人の間だけに通じる暗号のジェスチャーを送る。指を数本立てて数本曲げる。土方さんはそれで理解することができる。眉を潜めて怪訝な顔をされた。


「……いや、別にそうゆうつもりはないが」
「そうですかィ。なんかギラついてるように見えやしたんで」
「鏡でも見たんじゃねーの」
「ばーか」


 あかんべーをすると、普通に笑われた。
 つーか、そういう誘いじゃなくてな………と、土方さんは少しバツが悪そうに、懐から何かをごそごそと取り出した。


「……実は、タバコ屋の婆さんにもらって持て余してたモンがある」


 そう呟く土方さんの手には、鬼の副長に似つかわしくない代物が。

 ……それは、小さな線香花火の束だった。
 しかも、可愛らしいウサギさんやクマさんのイラストがあしらわれたパッケージ。
 それを目にした瞬間、俺はブーーーッと吹き出しゲラゲラ笑った。何でィそりゃ。タバコ屋の婆さんはアンタのこと近所のガキかなんかと見紛ったんじゃねぇですかィ?


「おい、笑ってんな。たまたま余ったからくれてやるだとよ」
「それで? 目をキラキラさせて貰ってきたってわけか。はー傑作!!」


 チッ……と舌打ちすると共に拳骨で頭の上から殴られた。痛ってーな。上体を起こしてムスッと睨み口を尖らせると。土方さんは俺を意に介するよりパッケージの開封に夢中だった。


「おい総悟、なんかバケツ持ってこい」
「え……マジでそれやるんです?今から?」
「え、やんないの?」
「え、やりたいんですか?」
「……ちょっとやってみたかったんだよッ!悪ィかよ!」

「……いえいえ」


 思わず顔がニヤけちまっていけない。


「とにかく早く持って来い、バケツ」
「へいへい。何でィアンタやっぱただのガキだ」


 呆れ笑いしながら立ち上がり、すぐ近くの副長室へ何なく入り込んだ。
 文机の上に置かれている灰皿。俺は当たり前のように、迷うことなく、その灰皿を持って再び縁側に戻った。
 土方さんは庭の奥、水の流れる鹿威しがあるところで既にスタンバっている。俺も縁側から草履を履いてそちらへ向かった。


「……オイ、俺はバケツ持って来いっつったはずだが?」
「えぇ。いいでしょ別に。線香花火なんざ大したサイズじゃねぇんですからこれで十分」
「いやこれ俺の灰皿だよね? 灰皿バケツにすんの?」
「土方さん、灰皿は使い込んでナンボですぜィ」
「使い込み方おかしいから。しかもそれわりと新品」
「鎮火する役割には違いねぇでしょーよ」


 そう言って縁側に戻ろうとしない俺を見て根負けしたのか、結局土方さんは俺の言う通り灰皿をバケツ代わりに使うことをしぶしぶ了承した。
 竹の筒から流れ出る水を灰皿にたぷたぷと入れて地に置いた。
 これで簡易な準備は整った。あとは火の元だけ。


「んじゃさっそく……おいライター出せよ土方」
「お前人にモノを頼む態度!」


 小言を言いながらも土方さんからはライターが差し出される。指で摘まんだ線香花火に、そっと火を灯した。

 すると、初めは先端から小さく、やがて、パチンパチパチと小さいながらも勢いよく弾ける小さな火の玉はぐんぐん粘り続け、見事なほど綺麗に。最後にはポトッと落ちて終了した。

 なんかこれ、ミニチュアの打ち上げ花火みてぇだな……。
 すると差し詰め、ミニチュアの花火大会ってところか。

 ぼんやりとそんなことを考えていると、隣で再びカチッとライターの火がついていた。土方さんの番。線香花火に火を灯していたが、芯が湿っているやつだったのかすぐにボトンと火の玉が落ちて終了する。


「ダッセー」
「うるせぇ黙ってろ」
「土方さんこれあと何本残ってるんです?」
「まだまだあんぞ、百本入りだとよ」
「マジかタバコ屋すげぇな。いっそ花火屋にしちまった方が儲かるんじゃね」
「常連客にそっちの商売人がいるって話だ……」


 喋りながら土方さんは自分で自分の花火に再び火をつける。その作業俺が代わってやりやしょうか?とライターに手を伸ばすと、ペチンとはたかれて呆気なく阻止された。
 チッ、俺の魂胆はお見通しか。

 土方さんが持っていた線香花火に、今度はきちんと小さな火の玉が灯った。
 ……と、俺はその玉へ向けて、フッ!と渾身の短い息を吹き掛けた。
 ボドッとすぐに落ちて消えた。


「てんめ………」
「まぁいいじゃねぇですか、百本もあるんなら」


 ハイハイどんどんいきやしょう、と。俺は次の線香花火を打ち上げた。しぶしぶ土方さんも続く。俺にやや背を向けて火を灯す背中。殊勝な心がけだ。

 線香花火を次々に見つめながら、そこに小さな花火大会を重ねて見る。
 そこは二人きりの貸しきり会場。
 もっとも、土方さんは俺に花火を消されるのが嫌でそっぽ向いちまってるが。その背中を眺めていることもまた、好きだったから別に良かった。

 ……無論、百本もありゃさすがに二人きりで消費し続けることにいずれ飽きるだろうし。頃合いを見て近藤さんを呼びに行こうと考えていた。たぶんその辺りは、土方さんも同様に考えてんだろうと思う。

 お互いに何も言わず、しばらくぼうっと花火を見ている。深い夜空の下。火薬の香が鼻を掠める。

 ふと、隣の横顔をのぞきこんだ。

 例年、警備業務にあたっているとき、何の気なしに横を見ると、よそ見をして花火を見上げている土方さんがたまに拝める。花火を見上げるその横顔が、いつもどことなく好きだった。
 今手にしている花火を下に俯いてしゃがんでいるその横顔もまた、腑抜けた面だと悦に入る。無言で、眼差しはキリリとして見据えているのに、口が半開きなところがまた可笑しい。
 その横顔に、背中に、ひとときの安堵やいとおしさを覚えてしまう。狂ってしまったんだと思う。


「………総悟、どうした」
「フフッ、いえ何も」
「何だよニヤニヤして。気色悪ィな」

「いえね、たまには悪くねぇなと思いやした」

「あ?何それ」
「いいえ、結構ですよ」


 あえて口にされるとむず痒いのでそう答えた。なんだ結局、土方さんだって同じじゃねぇですか。
 言葉を交わしながら密かに絡まってゆく手と手がその証拠。どちらからともなく、線香花火を持たない方の片手を地の上に泳がせていれば、互いに拒むこともなく。繋がる。手と手を。指と指とを。折って埋めて絡ませている。
 くるくると指の合間を撫でられると、言い知れぬ優越感がある。ゴツゴツとした手のひらをくすぐる。弄る。胸の奥でたまらなくなる。
 ……まぁ。さすがにやりすぎたか、無言でしっしと払われると。手と手を離す。名残惜しいなんて思ってしまう自分に苦笑する。

 ………こうなったら定番のあれかな。


「……土方さん、勝負しやしょう」


 手を繋いでいたことなど何事もなかったようにあっけらかんとそう呟く。暗い夜空の下、その手にあった1本の線香花火を土方さんへ差し出した。
 土方さんはヘイヘイと仕方なさそうに俺の勝負申し入れを受諾した。体の向きを戻してまた隣り合ってしゃがんでいた。


「これ負けた方が相手の奴隷になるってことでどうです?」
「お前線香花火をなんだと思ってンだよ」
「土方を合法的にやり込める手段」
「……言っとっけど息フーッは無しな」
「チッ仕方ねぇな」
「当たり前だ」


 土方さんは先程よりも慣れた手つきで線香花火計2本に手早くほぼ同時に火をつけた。
 さすが、喫煙者はライターの扱いが無駄に俊敏。


「はいよーいドン」


 間の抜けた開始の声と同時に、パチパチと弾け始める花火たち。これが驚いたことに、なかなか双方とも粘っていた。
 風に煽られないように空いた手の方を添えながら、自分の火の玉がとどまり続けることを願った。じーっと目と目が近寄るほどにミニチュアの花火を見詰め、頑張れ堪えろと心の中でエールも送ってみた。が………十数秒後、ポトンと落ちた小さな音ともに、俺の敗北が決定した。


「チィ………今のはリハってことにしてもっか」
「ダーメ」


 ドンッ!!と背後に効果音でも流れるがのごとく、土方さんはそう言ってライターを懐に隠してしまった。面白くねぇの。


「んじゃ、土方さんのお望みは? 1個までで」


 俺が勝ったら土方さんは奴隷だが、土方さんが勝ったら1個までというルールはたった今俺が作った。


「……そうだな、どうすっかな」
「何真剣に考えてんですか気持ち悪ィ」
「そもそもテメーが言い出したんだろ、相手を合法的にやり込める手段……」
「……ッ」


 反論の隙などなく、一瞬ひるんでしまった。いきなり後頭部に手を回され、頭ごと引き寄せられた。しゃがんでる体勢だったからバランスを崩して地に片膝をつき、前のめりになると共に、唇が、触れた……。


「ちょ………ひじかた、さ………んっ………」


 触れるだけではおさまらずに舌を入れられた。
 さっきまでこの人が口にしていたはずのタバコはどこへやら。ヤニの臭いだけを残して。衝動的に。決して柔らかくのない唇が無骨に重ねられる。吸われる。喉でも渇いてるのかと思うほど、唇の隙間から舌が捩じ込まれ、液体が絡みとられる。とろかされる。ひどく柔らかくて生ぬるい浸食に、気が転げ始めていた。


「あっ……………んう…………」


 声を発そうとするも、くちゅ、くちゅっ、と音を立てて唇を食まれ続けていた。
 花火の火薬の薫りも、タバコの臭いも、夏の夜の匂いも、そして土方さんのにおいも………全部が混ざって脳神経を逆撫でてくる。
 んんダメになりそ………。ふわふわとした思考と舌遣いとに惑わされるまま、実際よりも随分長い時間そうしていたような感覚がする。最後はくちゅ……と小さく音を立てて唇が剥がされた。

 荒く呼吸する、心音がひどい。
 手の甲でこれ見よがしにゴシゴシと唇を擦ったら、土方さんがこちらを見ている視線に気づく。暗くて顔は見えないが、そこから発せられている優越感が、空気で伝わってくる。


「…………急にするとかマジないんですけど」
「ま、先にフってきたのはそっちだ」
「え? 何かフりましたっけ」
「″コレ″をしたいだのなんだの」


 そう言って、土方さんが片手でジェスチャーする。暗いが、なんとなくわかった。
 ……なんだ、わりと冒頭じゃねぇですか。そっからこの人はムラムラしてたというわけだろうか。
 その想像が、胸を締め付けるほど自身を興奮させた。さっきのキスのされ方の所以もあるが。こちらとしても、シたくてなってくる……。


「……ねぇ、それが土方さんの望みですか?」


 自身の唇の裏側を舌先でじっとりと舐めた。熱の伴った名残りがまだそこにある。
 暗い庭先で、花火の明かりもない今、土方さんの顔は相変わらずよく見えない。だが、予測するにきっとギラギラとした目で俺を見ている。あーあ。想像するだけで濡れてきそ。
 また、どちらからともなく手指を這わせ、手と手を絡ませた。そのまま、土方さんの手は俺の手首から腕を伝わって、浴衣の袖の内部へ腕ごと忍ばせてきた。そのままその手で、俺の脇のあたりを優しく撫で始めた。そんな状態で土方さんは、「これでも抑えてんだけど。」などと言ったりするので俺以上に狂ってるとしか思えない。


「ハー、感心。野外プレイをお望みで?」
「ここなら暗いから見えねぇし」
「いやドン引き。誰か来たときどうするんです?」
「そん時はそん時だ」


 ああ、こいつは。このまま本当に襲ってくる気だろうか。あらゆることばで罵り倒してやりたいが。こちらも随分その気になってきたので致し方ない。息つく暇すら惜しいほど、その体に触れたくて仕方なくなってきた。


「……なぁ、総悟。どうする?」


 ただ、名前をぼそりと呟かれただけ。それが、いつの間にかすぐ横に顔を近づけられ、耳のそばで吐息混じりに囁かれるだけで。どくりと腹の奥が波打った。


「花火の続きするか、それとも…………」


 土方さん、アンタ結局それかよ。袖の奥から忍ばせた土方さんの手が襟もとから出て俺のうなじに触れている。そのままさわさわと、無意味に撫でてくる。焦れったい。振り払おうと弾くと、今度は着物の合わせ目に手をすべらせてくる。胸板の肌に触れられると。小さく厭らしぃ声が出た。
 豹変しすぎだろこの人。
 ほんとに………ここでヤる気なんだろうか。
 背徳感。高揚。襲ってくる想像に、今自分がひどい醜態の塊だと悟った。


「イイですよ……」


 吐息荒く、名前を呼んで。その頬に触れようとした、そのときだった。





 ………遠くから声がした。


「おーい!何やってんだンなとこでー!」


 俺も混ぜてー!と、向こうの縁側から無邪気に手を振っていそうな近藤さんの声がした。いやいや、混ぜられるわけがない!
 ひどく我に返った。漂う海面からバサッと顔をあげたように、引き戻された気分だ。


「トシと総悟かー?暗くてよく見えねぇんだけど!」
「おう近藤さん、コレ見てみ?」


 はたと、土方さんがいつもの声に戻って普通に返事をする。何を見せる気か。正気を一瞬疑ったが杞憂だった。
 土方さんは何事もなかったかのように、俺から体を離すと、そのままスタスタと普通の足取りで近藤さんを呼びに縁側へ向かっていった。手にはクマさんやらウサギさんやらの線香花火を持って。俺を、取り残して……。








「……あれ? なんかさっきここに総悟がいたような気がしたんだが」
「さぁ? とっくに寝てんじゃねーの」


 近藤さんと土方さんの会話を、少し離れたところにあった草陰に身を潜めつつ聞いていた。振り返ることができず。息を殺して。そこにあった木の幹に背を預けるようにしゃがみこんでいた。

 土方さん……奴は一体どうなってやがる。
 こちらは、垂れ流しかけた情事を引っ込めきれずに、口を抑えながら肩で息するようにして隠れていた。顔面も熱いし、下の方もキていた。こんな状況で近藤さんに対面できるわけがなかった。
 対して土方さんは、まるで何事も無かったかのように、近藤さんの方へ向かっていってしまったのだ。もはや隠すという素振りではない。本当に、シンプルに、ロボットか何かのようにカチリと感情を切り替えた。そんなことが、土方さんにはできてしまうのだ。

 土方さんは、しゃがんでいた姿勢から立ち上がって近藤さんへ向かうその時、しゃがんで動揺したままの俺の頭を、髪の上からポンと優しく撫でるように触れていった。「続きはお預け。」とでも言わんばかりに。えらく優しく撫でられた。


 なんだこれ。とっくに落ちちまって。
 ハナから俺が敗けてたってわけか……。


 草陰で誰にも聞こえないように静かに笑った。とりあえず手に握っていた燃えカスの線香花火を全部灰皿にぶち込んで火照りを静める。芯を、湿らせてゆく………。もうしばらく燃焼できないように。自らの手で、湿らせる………。
 なのに、心臓はまだ熱くパチパチとしている。
 思考がうまく回らない。
 ……そうだ。最後まで燃えてる方が勝ちってルールだった。それなら、俺が勝ちだ、きっとそうだ。などと。
 自分で自分を慰めながら。静めるしかない。

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