めぐりあひて neji x hinata 2015年02月04日 見しやそれとも分かぬまに……※ネジヒナというより、ナル+ヒナ+ネジです 「今日、彼と二人で命名しました」 どうかこの報告を、私たちのすぐ近くで聞いていてくれていることを願います。 あなたは居なくなってしまったのではない。私たちに見えないけれど、本当はいつでも私たちのことを見守ってくれていると。 人と人をめぐりあわせる、繋ぎとめる人となるようにと願い、 そして、あなたのことを想い、 この子の名前をつけました。 ヒナタは目を閉じて亡き人を偲ぶ。 授かった命はヒナタの腕に抱かれ、幸せそうに寝息を奏でている。 木々が拓けたこの場所は、木ノ葉の里がもたらす特有の穏やかな風に包まれている。一番星が見え始める晴天の夕空に、ところどころ薄く広がる雲は鮮やかな橙色の光を散りばめる。「ヒナタ」 やっぱりここにいたか、と。 しゃがんでいるヒナタの頭上から、聞き慣れた優しい声が舞い降りる。 ヒナタがそちらに視線を向けると、ヒナタの視点と同じになるようにしゃがみこんだのはナルト。 その手には一輪の綺麗な花。 ふわっとした花の香りに囁かれたのか、ヒナタに抱かれた彼はゆっくりと小さな瞳を開く。 その視線の先には、花をそっと前に添える父親の姿。両手を合わせ、瞳を閉じていた。 まだ思い通りに動かすことのできない両手を動かそうともがき、彼は父親と同じ動作を真似ようとする。「あら。起きたのね」 鮮やかな群青色の空を背景に、こちらを覗きこんだ父親と母親の笑顔が、丸い瞳に映りこむ。その表情をもまた真似をしようと、口元が緩む、目を細める。白く透き通った頬はほんのりとピンク色に染まる。 愛しい小さなその笑顔。 彼は父と母の向こう側に、何か珍しいものを発見したかのように、キャッキャと笑い声をあげた。 その視線を追って、二人は上空を見上げた。「……月だ」「綺麗…」 三日月は西側の空に、いくつもの星たちと共に輝いている。 その優しさに見守られながら、温かな幸せが三人を包んでいた。「そろそろ帰るか」「ええ」 二人は立ち上がり、石碑の前から離れ、徐々に遠ざかっていく。 それでもまだ、ヒナタの胸元で楽しそうな笑い声をやめない小さな命。 動かせる精一杯の限度で小さく首をひねって、先程までヒナタとナルトがいたその場所から視線を離そうとしない。 まるで、そこにいる誰かにも笑いかけるように。 木ノ葉の里の空の下。 石碑の前には花が二輪。 穏やかな風に包まれて揺れる。 まるで、三人を見送るように。そっと笑いかけるように。 [0回]PR